TAINSメールニュース No.734 2025.08.14 発行(一社)日税連税法データベース

2025年08月14日

【1】今週のお知らせ
収録した裁決の一部を紹介します。
【消費税】
・R02-07-09 裁決 棄却 F0-5-329
調査結果の説明・法定帳簿該当性
URL:https://app6.tains.org/search/detail/60274

【地方税】
・R07-05-30 裁決 一部認容 F0-7-051
固定資産税の登録価格/建築困難・地積過小・私有道路を含む土地に係る補正率
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63970
(税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
個別対応方式~賃貸「住宅」ブランドへの転貸は「住宅の貸付け」に該当!~
(令06-03-15 非公開裁決 棄却 F0-5-431)

請求人(不動産賃貸業を営む個人事業者)は、建物等の取得に係る課税仕入れ
を、課税資産の譲渡等にのみ要するものとして控除対象仕入税額を計算し、消費
税等の確定申告(平31.4.1~令元.6.30課税期間)をしました。請求
人は、不動産の所有・賃貸・管理等を目的とする法人(本件法人)の業務執行社
員であり、その妻が同法人の代表社員でした。本件法人に対し建物及び駐車場を
賃貸し、建物については事業用・居住用の制限を設けない契約を締結していたと
いう事案です。主に、建物の貸付けが、非課税取引である住宅の貸付けに該当す
るか否かが争われ、審判所は、次のとおり判断し、請求を棄却しました。

本件賃貸借契約書の契約条項についてみると、請求人の確固として完全な意思
表示に基づき、本件建物の使用用途は問わず、請求人の本心も、事業用・居住用
などの制限は設けない旨記載されている。しかしながら、賃貸借の内容である本
件建物の名称は、本件建築管理会社が商標登録している賃貸「住宅」ブランドが
使用されていることからすれば、本件賃貸借契約は、本件法人が本件建築管理会
社に対し本件建物を住宅として転貸することが前提とされていたといえる。
本件貸付けは、本件賃貸借契約において、最終的に本件建物を賃借する者によ
り本件建物が居住の用に供されることが明らかにされているものであると認めら
れ、別表第一第13号に規定する「住宅の貸付け」に該当し、非課税取引となる。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63500

TAINSメールニュース No.733 2025.08.07 発行(一社)日税連税法データベース

2025年08月07日

【1】今週のお知らせ
TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
ログイン後、左メニューの「研修サイト」をクリックすると30分研修動画が
表示され、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施
する研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講
時間を登録することができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分程度となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。

相続税評価額による譲渡と相続税法第7条の適用
~相続税法第7条における時価の意義と「著しく低い価額」の判定基準~
講 師:税理士 猪飼祐一郎

※東京税理士会・近畿税理士会の会員の方は、同会会員専用ページにログインを
してからご視聴ください。
(データベース部長 田川 哲)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
代表者以外の取締役らが行った工事代金の水増し請求に重加算税は賦課できるか!
(令06-06-04 仙台高裁 原判決取消し Z888-2741)

F社の取締役と従業員そして取引先A社の社長は、F社に対し工事代金の水増
し請求(本件不正行為)を行っていました。F社は、課税庁から、水増し金額分
は役務の提供を受けた対価とは認められず、これを損金の額に算入することも、
仕入税額控除もできないなどとして、法人税や消費税等の更正処分及び重加算税
の賦課決定処分を受けました。仙台地裁(Z273-13917)は更正処分は
適法であるとしましたが、重加算税については、取締役らが、F社から外注先や
外注費の決定権限を与えられていたわけではなく、取締役らの行為をF社の行為
と同視できないとして処分を取り消しています。これに対し、仙台高裁は、下記
のように重加算税の賦課要件を示し、本件は賦課要件を満たしているとしました。

重加算税制度の趣旨等に照らせば、法人における当該行為者の地位や役職、付
与された権限と裁量の範囲、担当する業務の内容とそこでの役割等の事情を踏ま
え、法人内で相応の地位と権限を有する者が、その権限と裁量を利用して、法人
の業務として行った隠蔽仮装行為であると認められる場合には、特段の事情がな
い限り、納税者たる法人の行為として評価するのが相当であって、国税通則法6
8条1項に規定する重加算税の賦課要件を満たすというべきである。
本件不正行為は、法人内部において相応の地位と権限を有する者が示し合わせ、
その権限と裁量を利用して、法人の業務として組織的に行った隠蔽仮装行為であ
って、本件不正行為を納税者たる被控訴人の行為として評価するのが相当である。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63706

TAINSメールニュース No.732 2025.07.31 発行(一社)日税連税法データベース

2025年07月31日

【1】今週のお知らせ
収録した裁決の一部を紹介します。
【所得税】
・R06-06-10 裁決 棄却 F0-1-1683
同族会社の行為計算否認/無利息貸付け
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63982
・R04-06-23 裁決 棄却 F0-1-1634
譲渡所得の収入金額/無償返還届出書が提出されている場合の借地権価額
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62109

【消費税】
・R02-07-07 裁決 却下 F0-5-328
延滞税の督促処分・地方税法附則9条の10の規定に基づく委託納付の処分性
URL:https://app6.tains.org/search/detail/60273
(税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
取引相場のない株式/評価通達6による評価額に平等原則違反なしと判断!
(令07-06-19 東京高裁 請求棄却 上告等 Z888-2742)

被控訴人らは、相続開始直前、臨時株主総会で普通株式1株につき40円を配
当すること、第三者割当てにより新株発行をすることを決議し、被相続人は新株
発行に係る株式を引き受けました(新株発行等)。A社株式について、被控訴人
らは、評価通達に基づき併用方式により評価(1株当たり1858円)すべきで
あるとして、更正の請求をしましたが、松本税務署長は、評価通達6を適用し、
純資産価額方式により評価(1株当たり3443円)すべきであるとして、更正
処分等を行いました。東京地裁(Z888-2738)は、平等原則に反すると
して更正処分等の取消請求を認容しました。一転して、東京高裁は、次の事情が
認められることから、平等原則に違反しないとして更正処分等を相当としました。

新株発行等がされたことにより、軽減される相続税の額(9億7872万円)、
割合(5割未満)等を総合的に考慮して判断すると、被控訴人らの相続税の負担
は著しく軽減されることになる。新株発行等に至る認定の経過によれば、被控訴
人乙が、新株発行等が近い将来発生することが予想される被相続人からの相続に
おいて被控訴人らの相続税の負担を減じさせるものであることを知り、かつ、こ
れを期待してあえて新株発行等を行ったことは明らかというべきである。
評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことは、新株発行等のような
行為をせず、又はすることのできない他の納税者と被控訴人らとの間に看過し難
い不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反するというべき事情がある。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/64017

TAINSメールニュース No.731 2025.07.24 発行(一社)日税連税法データベース

2025年07月24日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
TAINSだより(2025夏号)を掲載いたしました。
≪特別寄稿≫税金エッセイ・この夏
Geminiで確かめてみました!
(TAINS編集長:三木 義一)

ログイン後「TAINSだより」よりダウンロードすると閲覧できます。
https://app6.tains.org/search/tains_news
(広報部長:上田 健一)

(2)税理士会から提供いただいた「相談事例」を収録しました。
「TAINSキーワード」に次のように入力すると検索できます。
東京地方税理士会 ☆2025年07月収録分 ‥‥20件
千葉県税理士会 ☆2025年07月収録分  ‥‥14件
(税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:大高由美子)
3社の同族会社への無利息貸付/経済的合理性を欠くとして行為計算否認!
(令06-06-10 非公開裁決 棄却 F0-1-1683)

納税者が、同族会社3社に無利息で金銭の貸付けをしたところ、課税庁が、納
税者の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものであるとし
て同族会社の行為又は計算の否認規定を適用し、受取利息相当額の雑所得がある
として所得税等の更正処分等をした事案です。
審判所は、以下のとおり、納税者の請求を棄却しました。

本件貸付けは、各社に需要が生じた資金を融通するなどの目的で行われたもの
であるところ、いずれも総額で多額に及ぶ金銭を無利息、無期限、無担保で貸し
付けるものであって、その融資条件は、独立かつ対等で相互に特殊関係のない当
事者間で通常行われる取引とは大いに異なる点があるというべきである。
個々の貸付けにおける貸倒れリスクの有無は飽くまで当該貸付けにおける貸付
金額等に左右されるというべきものであるところ、本件貸付けがいずれも総額で
多額に及んでいることからすれば、各社に本件貸付けに係る貸倒れリスクがない
とはいえず、このことは、金融機関からの借入れとスワップ取引を組み合わせた
一体の取引によって実質的にマイナス金利での資金調達を行った実績があるから
といって左右されるものでもない。実質的に貸倒れリスクがないなどとする納税
者の請求は認められない。

(編集員からのひとこと)
平和事件も多額(3455億)であったことが主な理由でしたが、この事例は、
金額部分が全て黒塗りでした。どれ程、高額だったのでしょうか?
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63982

TAINSメールニュース No.730 2025.07.17 発行(一社)日税連税法データベース

2025年07月17日

【1】今週のお知らせ
≪横断検索≫第一法規「税務・会計データベース」
システムメンテナンスについて
システムメンテナンスのため、下記の日時にてサービスを一時停止いたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご協力くださいますようお願いいたします。
―記―
令和7年7月23日(水)午後6時~同10時
※メンテナンス時間は作業状況により短縮又は延長する可能性がございます。
(税法データベース事務局)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
バカラ所得(一時所得)の収入すべき時期と外れチップの経費性
(令07-02-27 東京地裁 棄却 Z888-2739)

海外(米国、シンガポール、マカオ)のカジノ施設においてバカラを行ってい
た原告は、バカラにより得た所得はないものとして申告したところ、税務署長か
ら、予想が的中したゲームごとに、配当として得たチップの額面相当額(収入)
から同ゲームに賭けたチップの額面相当額(支出)を控除して一時所得の金額を
算定すべきであるとして、更正処分を受けました。原告は、バカラ所得の収入は
各プログラム等の終了時のチップの残高に係る経済的利益であると主張しました
が、東京地裁は、次のように判示して、原告の請求を棄却しました。

原告の主張は、各プログラム等において行われた各ゲームを一体とみた上での
収入とは何かを検討したものであると解されるが、バカラにおいては、各ゲーム
の勝敗に応じて、ライブチップの配当又は没収が都度行われる等、各ゲームはそ
れぞれ独立しているものといえる。したがって、原告は、予想が的中した時点で、
ライブチップに係る経済的利益を得るための権利行使が可能になったといえるか
ら、その時点をもって、収入の原因となる権利が確定したものと解される。
原告は、本件バカラにおいて予想が的中した場合にはこれを原因として配当で
あるライブチップを得ることができるから、当該配当に個別的に対応する支出は、
当該ゲームに賭けたチップの額面相当額といえる。これに対し、当該配当に個別
的に対応しない支出、すなわち、予想が外れたゲームに賭けたチップの額面相当
額は、何ら収入を発生させるものではないから、本件バカラ所得に係る総収入金
額から控除されるべきものではない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63902

TAINSメールニュース No.729 2025.07.10 発行(一社)日税連税法データベース

2025年07月10日

【1】今週のお知らせ
≪横断検索≫第一法規「税務・会計データベース」
システムメンテナンスについて
システムメンテナンスのため、下記の日時にてサービスを一時停止いたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご協力くださいますようお願いいたします。
―記―
令和7年7月15日(火)午後6時~同10時
※メンテナンス時間は作業状況により短縮又は延長する可能性がございます。
(税法データベース事務局)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
寄附金~建物の請負工事代金のうち関連法人に支払った金額は資金の贈与~
(令06-12-10 公表裁決 一部取消し・棄却 J137-2-03)

本件は、請求人が支払った建物等の請負工事代金のうち、建設会社及び建築士
が請求人の関連法人(N社、P社及びQ社)に支払った金額(支払額1、2及び
3)には、金銭を対価なく移転するものが含まれており、その支払額が法人税法
第37条第7項の寄附金の額に該当するか否かが主な争点となった事案です。
審判所は、次のとおり判断し、原処分の一部を取り消しましたが、請負代金等
に含めて契約書を作成していた行為を「仮装」に該当すると認定し、青色申告の
承認の取消事由があったとして、その承認取消処分は適法と判断しています。

本件支払額1及び本件支払額2については、本件建設会社及び本件建築士がN
社、P社及びQ社から何ら役務の提供を受けていないにもかかわらず、請求人の
指示に従って支払われたものであることに加え、請求人は、本件建物等工事等に
係る契約書等の請負代金等に本件支払額1及び本件支払額2に相当する金額を含
めて当該契約書等を作成していた。これらに相当する金額は、金銭を対価なく移
転するもの(資金の贈与)であると認められ、かつ、通常の経済取引として是認
することができる合理的理由は認められないから、寄附金の額に該当する。
本件支払額3については、本件建設会社がN社及びP社に対し本件構築物工事
に係る資材の購入等の対価として支払をしたものと認められることから、資金の
贈与の額であると認めることはできない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63976

TAINSメールニュース No.728 2025.07.03 発行(一社)日税連税法データベース

2025年07月03日

【1】今週のお知らせ
システムメンテナンスのお知らせ
下記の日程でシステムメンテナンスを行うため、作業時間帯はすべての機能の
ご利用ができません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2025年7月8日(火)午後10:00 ~ 午後10:30
※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
(システム部長:坂井 昭彦)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
無償返還届出書が提出されている場合の地主個人の譲渡所得の総収入金額は?
(令07-01-17 大阪地裁 棄却 Z888-2737)

原告は、所有している本件各土地をA社(原告が代表者)に建物所有目的で賃
貸し、A社は本件各土地上に建物を所有していましたが、原告及びA社は、本件
不動産をB社に売却しました。原告は、譲渡所得につき、A社との合意に基づき
土地代金の80%を収入金額として申告したところ、処分行政庁から、更正処分
等を受けた事案です。原告及びA社は、本件各土地の賃貸借について、無償返還
届出書を提出しており、譲渡所得の総収入金額に本件各土地に係る借地権価額相
当額を算入すべきか否かが争点になりました。
大阪地裁は、次のように判断し、原告の主張を棄却しました。

無償返還届出書が提出されている場合の、借地権部分に相当する経済的価値の
移転の有無について、地主が個人で借地人が法人である場合には、地主の譲渡所
得に係る課税関係においても、地主が自ら届け出た経済実態〔借地権部分に相当
する経済的価値が借地人に移転していない結果として、当該土地賃貸借契約の相
手方である地主の下に借地権部分に相当する経済的価値が残っているという経済
実態〕を前提にした取扱いがされるべきものと解される。
本件各土地の売買価額から借地権相当額の20%相当額を控除した金額が原告
の取得する売買代金である旨合意し、売買代金を精算したことが認められるが、
借地人には、借地借家法上の借地権が帰属しているものの、課税関係においては
借地権部分に相当する経済的価値が移転していないものとされており、原告の譲
渡所得の金額の計算においては、総収入金額に本件各土地に係る借地権価額相当
額を算入すべきである。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63892

TAINSメールニュース No.727 2025.06.26 発行(一社)日税連税法データベース

2025年06月26日

【1】今週のお知らせ
(1)東京税理士会からご提供いただいた相談事例を収録しました。
「TAINSキーワード」に次のように入力します。
東京税理士会 ☆2025年06月収録分 ‥‥7件

(2)下記の「行政文書」を収録しました。
・法人税及び消費税等の処理における誤り易い事例とそのチェックポイント
(令和6年9月 国税庁調査課 東京国税局調査審理課)
TAINSコード 法人消費事例東京局R060900
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63884

・令和6年分相談担当者用手引(ポケット版)
(福岡国税局 個人課税課 資産課税課)
TAINSコード 相談担当者用手引福岡局R060000
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63859
(税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
複数回にわたり取得した外貨の円換算額の算定は総平均法に準ずる方法が合理的!
(令07-02-05 東京地裁 棄却 Z888-2740)

原告は、複数の預金口座で外貨通貨を保有し、平成29年から平成30年にか
けて、米国に所在する4つの不動産をドル建てで購入するなどの複数の外貨建取
引を行いました。本件は、これら外貨建取引のうち不動産購入における為替差益
の額を算定する際の外貨取得時の円換算額の算定方法が争われました。
原告は、暗号資産の取得価額の計算を規定した所得税法施行令119条の2第
2項を根拠として、外貨の取得時の円換算額の算定は個別法を用いるべきである
と主張しましたが、東京地裁は、納税者の主張を退けています。

預入れ時の為替レートが異なる外貨が混在している場合において、払い出す外
貨の取得時の円換算額をどのように算定するかについては、法において直接の定
めはないものの、外貨の性質等を考慮し、基本的には、法定評価方法の中から、
適用すべき評価方法を採用するのが合理的である。
所得税法は、2回以上にわたって取得した同一銘柄の有価証券で雑所得又は譲
渡所得の基因となるものを譲渡した場合に係る有価証券の取得費等の計算に関し
て、総平均法に準ずる方法を採用している。外貨も、有価証券と同様、取得費等
が異なっても一単位ごとに認められる権利や性質、価値などは基本的に変わらな
いと認められ、2回以上にわたって取得した同一種類の外貨について、為替差益
の額を算定する際の取得時の円換算額の算定においては、有価証券と同様に、単
価を平均する総平均法に準ずる方法を適用するのが最も合理的である。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63893

TAINSメールニュース No.726 2025.06.19 発行(一社)日税連税法データベース

2025年06月19日

【1】今週のお知らせ
(1)収録した判決の一部を紹介します。
【所得税】
・R07-02-27 東京地裁 棄却 Z888-2739
バカラ所得(一時所得)/収入すべき金額と計上時期/外れチップの必要経費

URL:https://app6.tains.org/search/detail/63902

【その他】
・R07-03-12 東京地裁 一部認容、控訴 Z999-2178
行政書士損害賠償請求/東京都行政書士会の会長選挙無効確認/立候補届の不
受理
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63885

(2)税務訴訟資料の収録を開始いたしました。
税務大学校ホームページに掲載された、以下の令和5年判決分(税務訴訟資料
第273号)の収録作業を開始いたしました。
■課税関係判決:順号13799~13917
■徴収関係判決:順号2023-1~2023-20
今後、収録完了したものから下記のキーワードで検索できます。
≪検索方法≫ 【TAINSキーワード】 ★税資273号
(税法データベース編集室)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
内縁関係にある者からの生活費・教育費等は婚姻費用と判断・納税者勝訴!
(令06-12-12 東京高裁 原判決変更、認容 Z888-2734)

この事案では、乙(控訴人)名義の預金口座に入金された金員のうち、内縁関
係にある甲が原資を出捐した金員(本件各金員、平成24年から平成29年まで
に合計1億8613万円)について、乙が甲から贈与により取得したものか、乙
が甲から生活費又は子供達の教育費等の婚姻費用分担義務の履行として受領した
ものかが争われました。原審(Z888-2728)が住居の賃料を除き贈与で
あると判断したことから乙が控訴しました。東京高裁では、乙と甲の内縁関係を
認めた上で、次のとおり判断し、贈与税の決定処分の全部を取り消しました。

婚姻費用の具体的内容は、基本的には夫婦間の合意によって決せられることか
らすれば、夫婦の収入、資産状態等によって規定される生活の程度や状態に応じ
て、当該合意に基づいて個別にその該当性を判断するのが相当である。
甲の生活状況からすると、本件各金員の入金の経緯として、甲、乙及び両者の
実子及び乙の連れ子の生活費・教育費等に充てるためであったと認められ、乙や
子供達の生活費等は、婚姻費用分担義務の履行の範囲内の金員である。加えて、
本件各金員の相当部分は住民登録をしていないとの理由から預金口座を開設でき
ない甲のために使用されたものと推認されるのであり、多額の資産(約50億円)
を有する甲から収入のない乙に対する婚姻費用分担の合意に基づく義務の履行と
して不相当に過大である又は目的外で給付がされたものと認めることはできない。
本件各金員は、甲から乙に対し合意に基づく婚姻費用分担義務の履行として支
払われたものであり、乙が甲から贈与により取得した財産ではない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63826
─────────────────────────────────────

TAINSメールニュース No.725 2025.06.12 発行(一社)日税連税法データベース

2025年06月12日

【1】今週のお知らせ
TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
今回も弁護士:三木義一さんの特別講座です。今回はつい最近の判例から、ふ
るさと納税返礼品評価額は調達価額とすべきとしたものです。実務で必要な判例
の紹介です。是非ご覧ください。
ログイン後、左メニューの「研修サイト」をクリックすると30分研修動画が
表示され、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施
する研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講
時間を登録することができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分程度となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。

ふるさと納税と返礼品課税~返礼品に係る経済的利益の価額とは(事業者調達価
格)~
講 師:弁護士 三木義一

※東京税理士会・近畿税理士会の会員の方は、同会会員専用ページにログインを
してからご視聴ください。
(データベース部長 田川 哲)
─────────────────────────────────────
【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
販売目的の一棟の建物/保有期間中空室部分の用途区分は按分できない!
(令07-01-24 東京地裁判決 棄却 Z888-2735)

納税者が、建物は将来の販売を目的として取得したから、建物の取得等に係る
課税仕入れは課税対応課税仕入れに該当するとして更正の請求をした事案です。
購入時からその一部の居室が住宅として賃貸されている販売目的の建物の用途
区分は共通対応課税仕入れに該当するとの判断は、何件もみられますが、今回の
事例では、納税者は、購入時から空室で、賃料収入が一切発生せず、売却時も空
室だった部分は全居室数に対する各空室の数の割合によって按分し、課税対応課
税仕入れにすべきであると主張しました。
裁判所は、用途区分の判定単位である個々の取引の対象は、各建物の個々の居
室ではなく、一棟の建物としての各建物である。原告は、賃借人がいる状態で各
建物を購入し、その後、これを売却するまでの間、その賃料を収受したものであ
るから、各建物取引に係る各課税仕入れは、共通対応課税仕入れに該当するもの
であり、課税対応課税仕入れに該当するとは認められない。と判断しました。
また、原告は、支払った家賃保証等は、空室が続くことによる建物の売買代価
の調整で「売上げに係る対価の返還等」(消法38)に該当すると主張しました。
裁判所は、家賃保証特約は、売買契約とは別個の特約であり、原告は、これに
より新たな債務の負担を約したものであって、その支払は、債務を履行したもの
であり、売買代金の額が事後的に返還又は減額されたものとはいえないから、「売
上げに係る対価の返還等」に該当するとは認められないと判断しました。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63827