2025年04月10日
【1】今週のお知らせ
TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
ログイン後、左メニューの「研修サイト」をクリックすると30分研修動画が
表示され、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施
する研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講
時間を登録することができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分程度となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。
記
太陽光発電システムを事業の用に供した日
~用途に応じた個別の事実関係で判断~
講 師:税理士 佐藤善恵
※東京税理士会・近畿税理士会の会員の方は、同会会員専用ページにログインを
してからご視聴ください。
(データベース部長 田川 哲)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
太陽光発電に係る一連の取組・スキーム内容からだけでは「事業」に該当せず!
(令06-03-13 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2715)
原告は、A社を介して、太陽光発電に係る土地の取得、設備の設置、発電、売
電等に向けた一連の取組(本件各取組)を行っており本件各取組を事業として太
陽光発電を行っていたとの認識の下、本件各取組に係る費用を必要経費に算入し、
事業所得の金額の計算上の損失(事業収入0円-必要経費)として所得税等の確
定申告をしましたが、課税庁は事業所得を0円として更正処分等した事案です。
原告は、本件各取組について、そのスキームの内容に照らすと、これが開始さ
れれば「事業」に該当することになるところ、本件借入れ等の重要な行為がされ
ていた以上、本件各取組は既に開始されていたといえるから「事業」に該当する
と主張しましたが、東京地裁は次のように判断し、原告の主張を退けています。
原告は、本件各取組において、A社との間で発電事業者としての地位を購入す
る旨の契約を締結したが、実際にはその地位を取得することができなかったもの
である。しかも、原告が本件各土地や本件各設備等を取得することを全面的に委
ねていたA社については、既に破産手続が行われ、A社の代表取締役は、架空の
太陽光パネルの設置を持ち掛けて他人から工事代金を騙し取ったとの嫌疑により、
その後、逮捕、起訴されたというのであり、これらのことからすると、本件各取
組は、これを反復継続的に遂行するために必要な客観的な基礎を完全に欠いてい
たといわざるを得ず、反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認め
られる業務であったということはできない。したがって、本件各取組は、「事業」
(所得税法27条1項、同法施行令63条12号)に該当しない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63259
2025年04月03日
【1】今週のお知らせ
システムメンテナンスのお知らせ
下記の日程でシステムメンテナンスを行うため、作業時間帯はすべての機能の
ご利用ができません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2025年4月8日(火)午後10:00 ~ 午後10:30
※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
(システム部長:坂井 昭彦)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:草間 典子)
企業買収の意思決定前のデューデリジェンス費用も株式の取得価額に算入と判断!
(令06-01-24 非公開裁決 棄却 F0-2-1232)
この事案は、企業買収の際に支出したデューデリジェンス(DD)費用を雑費
として損金の額に算入していたA社が、課税庁から、本件DD費用は、株式の購
入のために要した費用で株式の取得価額に算入すべきとして、法人税等の更正処
分等を受けたものです。A社は、A社の企業買収では、取締役会の決議により、
初めて株式を購入するかの意思決定がなされ、意思決定前に発生したDD費用は、
購入か否かの意思決定を得るためのもので「購入のために要した費用」に当たら
ないとしました。審判所は、企業買収の際に支出したDD費用について、次のよ
うに判示し、本件DD費用は、「購入のために要した費用」と判断しています。
取得しようとする有価証券の候補が複数ある場合において、いずれの有価証券
を取得すべきかを決定するために行うDD費用は、通常、取得を目的とする株式
が特定されていないことから、実際に取得した有価証券の取得との関連性は希薄
であるといえる。しかし、少なくとも、特定の有価証券を取得する前提で行うD
D費用は、その特定の有価証券の取得を断念した場合を除き、当該有価証券の取
得を目的としてその取得に関連して支出する費用というべきである。
本件について、買収対象会社に対するDDに係る見積書、報告書等において、
対象業務等として買収対象会社の株式取得に伴うなどと記載されていることから、
特定の株式の取得を目的として委託したものと認められる。本件DD費用は、「
その有価証券の購入のために要した費用(法令119条1項1号)」に当たる。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63313
2025年03月27日
【1】今週のお知らせ
システムメンテナンスのお知らせ
下記の日程でシステムメンテナンスを行うため、作業時間帯はすべての機能の
ご利用ができません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2025年4月1日(火)午前3:30 ~ 午前3:40
※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
(システム部長:坂井 昭彦)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:依田 孝子)
障害者控除の適用の可否~身体障害者手帳を受けていなかった年分はNG!
(令06-02-27 千葉地裁 棄却・確定 Z888-2714)
この事案では、原告の令和元年分及び令和2年分の確定申告で、障害者控除の
適用ができるか否かが争われました。当時、原告は、身体障害者手帳の交付を受
けていませんでしたが、「特定医療費(難病指定)受給者証」の交付を受けてい
たことから、実質的に解釈すると「障害者」に該当するとして、障害者控除の適
用を認めるべきであると主張しました。これに対して、裁判所では、次のとおり
判断して、原告は、障害者控除の適用を受けることはできないとしました。
障害者控除の適用の対象となる「障害者」の定義規定に関する改正経緯に加え、
租税の確定及び執行においては画一的な処理が求められていることからすると、
居住者が所得税法施行令10条1項各号に規定する「障害者」に当たるか否かに
ついては、その文言どおりに形式的に判断される必要があって、実質的な面から
の解釈は許されないものというべきである。
原告は、平成27年、千葉県知事から、指定難病に該当するとして特定医療費
の支給決定がされて「特定医療費(指定難病)受給者証」の交付を受けており、
各確定申告時も同受給者証の交付を受けていたが、身体障害者手帳の交付を受け
たのは令和4年であって、各確定申告時の令和元年及び令和2年の各12月31
日の現況において、身体障害者手帳の交付を受けていなかったから、原告は、所
得税法10条1項3号に規定する障害者に該当するものではく、その他、同項に
規定する者にも該当しない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63257
2025年03月13日
【1】今週のお知らせ
(1)システムメンテナンスのお知らせ
下記の日程でシステムメンテナンスを行うため、作業時間帯はすべての機能の
ご利用ができません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2025年3月26日(水) 午後10:00 ~ 午後10:10
※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
(ユーザーサポート部長:小林 英樹)
(2)次号メールニュースは3月27日に配信します。
次週3月20日は休業日のため、メールニュース714号は3月27日に配信
します。
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:大高 由美子)
通達評価額と売却価格等との著しい乖離があっても特別の事情は無い!
(令03-04-26 非公開裁決 棄却 F0-3-774)
納税者が、相続により取得した不動産を売却し、その売却価格が時価であると
して相続税の申告を行ったところ、当該不動産は評価通達に定める方法によって
評価すべきであるとして、原処分庁から相続税の更正処分等を受けた事案です。
審判所は、以下のとおり、納税者の請求を棄却しました。
請求人は、本件建物は、著しく老朽化し、賃貸経営として採算が見込めないこ
とから、入居者を立ち退かせた上で取壊しが必要な状況であり、資産価値がなか
った旨主張するが、本件建物に資産価値がないとはいえず、経年減点補正率によ
ることができないような損耗が生じていると認めることはできない。
本件不動産の売却に係る契約は一定の条件が付加された上で締結された契約と
いえるから、本件売却価格が、客観的交換価値(時価)であるとまで認めること
は困難である。
評価通達の定める評価方法が一般的な合理性を有するものであり、相続財産に
ついて、評価通達の定める評価方法によって算出した額が不動産鑑定評価基準に
則って鑑定した額を上回る場合であっても、それはいずれも合理性を有する異な
る評価基準を用いて算出した結果が異なるものであることを意味しているにすぎ
ず、直ちに評価通達の定める評価方式によって時価を適切に算定することができ
ない特別の事情があることを推認させるものではない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63482
2025年03月06日
【1】今週のお知らせ
TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
ログイン後、左メニューの「研修サイト」をクリックすると30分研修動画が
表示され、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施
する研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講
時間を登録することができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分程度となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。
記
相続財産となる不当利得返還請求権~被相続人の口座からの多額の現金出金~
講 師:税理士 草間典子
今回は「調査に生かす判決情報第114号 東京国税局課税第一部国税訟務官
室」(TAINSコード Z888-2554)の解説も加わっています。こ
のような資料の利用は実務に役立ちます。
※東京税理士会・近畿税理士会の会員の方は、同会会員専用ページにログインを
してからご視聴ください。
(データベース部長 田川 哲)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
「居住者」該当性/生活の本拠は国内かシンガポールか!
(令05-04-12 東京地裁 一部取消し・確定 Z888-2632)
本件は、原告が所得税法2条1項3号所定の居住者に該当するか否かを争点と
する事案です。原告は、DM事業等を経営するA社の元代表者で、当時、生計を
一にする親族はいませんでした。東京地裁は、住所すなわち生活の本拠について、
その者の所在(滞在日数及び住居)や職業等を総合的に考慮し、平成25年及び
平成26年は居住者に該当するが、平成27年は居住者に該当しないと判断して、
処分の一部を取り消しました。
原告が国内で使用していた物件は、家具等が充実していたとはいえないが、継
続的な生活を送るための住居といえるだけの実体が最低限あったことは否定し難
い。平成25年及び平成26年の国内とシンガポールの滞在日数を比較すると、
国内の方が2.5倍以上と大きく上回っている。そのため、原告の所在の観点か
らは、生活の本拠たる実体は、国内の物件にあったことが強く推認される。
平成27年においては、シンガポールでのB社のワイン事業が軌道に乗り始め、
シンガポールに滞在する必要性が高まったこともあり、滞在日数は、国内が17
7日、シンガポールが163日(ワイン事業の従事日数は115日)であった。
職業の観点については、それに係る活動をするに当たり、当該国に滞在する必要
性がどの程度であったかということを中心に考慮すべきものと解される。そのた
め、職業の観点からしても、生活の本拠たる実体は、シンガポール物件にあった
とみるのが相当である。したがって、平成27年は居住者に該当しない。
URL: https://app6.tains.org/search/detail/62550
2025年02月27日
【1】今週のお知らせ
(1)システムメンテナンスのお知らせ
下記の日程でシステムメンテナンスを行うため、作業時間帯はすべての機能の
ご利用ができません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2025年3月1日(土)午前3:30 ~ 午前3:40
※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
(システム部長:坂井 昭彦)
(2)東京国税局の情報を「行政文書」に収録しました。
「TAINSキーワード」に次のように入力すると検索できます。
東京国税局 ☆2025年02月収録分 ‥‥10件
(内訳は、判決速報 3件、個人課税課情報 1件、法人課税課速報 1件、
資産評価官情報 1件、資産課税課情報 1件、課税部情報 3件です。)
(3)誤りやすい事例集(福岡)を収録いたしました。
福岡国税局が実務で誤りやすいポイントをまとめた資料の収録が完了いたしま
した。
「TAINSコード」に以下の各コードを入力で検索いただけます。
所得事例福岡局R060000
消費事例福岡局R060000
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
企画遂行性の希薄な社会保険労務士の業務による損失は損益通算できない!
(令05-06-16 非公開裁決 棄却 F0-1-1640)
社会保険労務士である請求人は、勤務先3社からの給与収入があり、相談業務
(本件業務)にも従事していました。請求人が、本件業務に係る事業所得の損失
を他の所得と損益通算して確定申告をしたところ、原処分庁からその所得は雑所
得に該当し、損益通算できないなどとして所得税等の各更正処分等を受けました。
請求人は、本件業務は自己の計算と危険において独立して営んでいるなどと主
張しましたが、審判所は、次のとおり判断して、請求人の請求を棄却しました。
本件業務について多額の必要経費が発生し、多額の損失の金額が5年間継続し
ていたにもかかわらず、請求人は、本件業務に係る売上先が分かる書類や営業活
動の内容を詳細に示す資料を作成していないことから、本件業務に係る損失を改
善する手段を講じていたということはできず、企画遂行性は希薄である。
本件業務は、営利性は乏しく、企画遂行性は希薄であり、請求人が本件業務に
費やした精神的及び肉体的労力の程度は、必ずしも大きいものではないことに加
え、請求人が生活の資としているのは本件業務による収入ではなく、本件業務に
は相当程度の期間安定した収益を得られる可能性が存するともいい難い。
以上の点を総合考慮すると、本件業務が自己の計算と危険において独立して営
まれ、営利性、有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意思と社会的地位とが
客観的に認められる業務ということはできないから、雑所得に該当する。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62604
2025年02月20日
【1】今週のお知らせ
システム改修に伴うサービス停止のお知らせ
下記の日程でシステム改修を行うため、作業時間帯はすべての機能のご利用が
できません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2025年2月26日(水)午後10:00 ~ 午後10:10
※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
(システム部長:坂井 昭彦)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
ふるさと納税の寄附者が受ける返礼品の経済的利益は一時所得に該当!
(令06-02-14 横浜地裁 棄却・控訴 Z888-2705)
原告は、所得税等の各申告をしたところ、所轄税務署長から、原告が地方団体
(本件各団体)から取得したふるさと納税に関する各返礼品に係る経済的利益が
一時所得に該当するとして、所得税等の各更正処分を受けました。
平成20年度の税制改正において創設されたふるさと納税制度は、納税の趣旨
に反するような返礼割合の高い返礼品が送付される状況から、総務大臣から「平
成29年通知」が発せられ返礼割合を3割以下とすることを求めるものでした。
本件の主な争点は、本件各返礼品に係る経済的利益の価額として一時所得の総
収入金額に算入すべき金額はいくらになるのかです。
原告は、各団体評価額は、所得税法36条1項の「価額」の定義に合致しない
と主張しましたが、裁判所は、次のように判断し、原告の主張を退けています。
所得税法36条1項及び2項に規定する「価額」とは、取得時における客観的
交換価値、すなわち、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われた場合におい
て通常成立すると認められる価額をいうものと解するのが相当である。
返礼品の調達価格は、特別な関係ないしは動機を持たない地方団体と調達事業
者との間において成立した取引価格であるといえるから、不特定多数の当事者間
で自由な取引が行われた場合において通常成立すると認められる価額と評価する
ことができ、地方団体が返礼品の調達に当たって調達事業者に対して支払った金
額である調達価格を返礼品に係る経済的利益の価額として一時所得の総収入金額
に算入すべき金額とするのは合理的である。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63439
2025年02月13日
【1】今週のお知らせ
(1)収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【所得税】
・R05-06-16 裁決 棄却 F0-1-1640
所得区分と損益通算/給与所得を有する社会保険労務士の相談業務に係る損失
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62604
・R06-02-14 横浜地裁 棄却、控訴 Z888-2705
ふるさと納税/返礼品に係る経済的利益の価額(事業者調達価格)
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63439
(2)北陸税理士会から提供いただいた「相談事例」を収録しました。
税区分は「所得税」「法人税」「相続税」「消費税」です。
「TAINSキーワード」に次のように入力すると検索できます。
北陸税理士会 ☆2025年02月収録分 ‥‥6件
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:草間 典子)
PGM事件/完全支配関係適格合併に、事業の移転及び継続は求められているか!
(令06-09-27 東京地裁 認容・控訴 Z888-2707)
この事案は、完全支配関係適格合併と支配関係適格合併の2段階の合併を経て
休眠会社の未処理欠損金額を引き継いだA社に対し、課税庁が、法人税法132
条の2の規定を適用して、法人税等更正処分等を行った事案です。
この判決で注目されている点は、組織再編税制に係る法人税法57条2項等の
趣旨及び目的の判断です。先例となるTPR事件の東京高裁(Z269-133
54)では、「組織再編税制は、組織再編成により資産が事業単位で移転し、組
織再編成後も移転した事業が継続することを想定している」とし、「完全支配関
係にある法人間の適格合併について、事業の移転及び継続を含め検討すべき」と
判示していました。PGM事件の東京地裁は、それとは違う判断を示しています。
完全支配関係があり対価要件を満たす法人間の合併の場合には、基本的に、合
併の前後で経済実態に実質的な変更がなく、個別の資産の売買取引との区別も問
題とならないことから、支配関係適格合併及び共同事業適格合併とは異なる、よ
り緩和された適格合併の要件があえて定められ、従業者引継要件及び事業継続要
件が必要とされなかったと解する。したがって、完全支配関係適格合併の場合に
おいて、「合併による事業の移転及び合併後の事業の継続」が法人税法57条2
項等の適用の「前提」となっているとか、「合併による事業の移転及び合併後の
事業の継続」がない完全支配関係適格合併に上記規定を適用することはその本来
の趣旨及び目的に反するなどと解することはできない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63479
2025年02月06日
【1】今週のお知らせ
TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
ログイン後、左メニューの「研修サイト」をクリックすると30分研修動画が
表示され、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施
する研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講
時間を登録することができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分程度となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。
記
就労継続支援B型の工賃について、仕入税額控除の可否が初めて争われた事案
~消費税法2条1項8号の「対価を得て行われる」(対価性)があるか否か~
講 師:税理士 渡邉信子
※東京税理士会・近畿税理士会の会員の方は、同会会員専用ページにログインを
してからご視聴ください。
(データベース部長 田川 哲)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:依田 孝子)
機械装置の取得時期/売買契約ではなく請負契約による「取得」と判断!
(令05-03-09 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2651)
プラスチック製品のパレットの製造等を行う原告は、B社との間で、射出成形
機及び制御装置(本件各機械装置)の導入に関する契約(本件契約)を締結し、
本件各機械装置は、平成28年3月から5月の間に原告の工場に納入等されまし
た。この事案では、原告の期末である平成28年5月31日以前に本件各機械装
置を「取得」したか否かが争われました。東京地裁では、次のとおり判断し、本
件契約は規格品である射出成形機及び制御装置の売買契約である旨の原告の主張
を斥けました。なお、地裁の判断は控訴審でも維持され裁判は確定しました。
原告及びB社は、特殊な形成の方法によってパレット製品を量産化することを
当然の前提として契約締結交渉をしていたものと解するのが自然であるから、原
告及びB社は、平成27年9月17日、特殊な形成の方法によりパレット製品を
量産化できる程度の能力を有する射出成形機及び制御装置をB社が製造し、原告
がそれに報酬を支払う旨の請負契約を締結したものと認められる。
B社が、特殊な形成の方法によりパレット製品を量産化できる程度の能力を有
する射出成形機及び制御装置の製造を完成させたのは、平成29年7月ないし9
月であったと認められる。よって、原告が請負契約に基づいてB社から本件各機
械装置の引渡しを受け、その所有権移転を受けたのは、平成29年7月ないし9
月であったと認められ、原告は本件各機械装置を平成28年5月31日以前には
「取得」していないということになる。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62681
2025年01月30日
【1】今週のお知らせ
収録した判決の一部を紹介します。
【法人税】
・R06-09-27 東京地裁 認容、控訴、納税者勝訴
Z888-2707
PGM事件/法法132の2該当性/2段階の合併を経て引き継がれた欠損金
額
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63479
【所得税】
・R06-01-31 大阪地裁 棄却、控訴 Z888-2671
外国子会社合算税制/「居住者」該当性/適用除外規定の要件
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63084
・R06-01-30 神戸地裁 棄却、控訴 Z888-2672
調査手続の違法と処分の効力/本件調査の国家賠償法上の違法性
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63085
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:大高 由美子)
課税期間の初日を誤った確定申告書はその課税期間の申告書ではない!
(令03-03-17 非公開裁決 全部取消し F0-5-340)
納税者が、輸出物品販売場における物品の販売について、消費税等の確定申告
をしたところ、原処分庁から更正処分等を受けた事案です。
審判所は、以下のとおり、納税者が提出した申告書は、国税通則法第24条《更
正》に規定する申告書に当たらないとして、更正処分及び重加算税の賦課決定処
分等の全部を取り消しました。
本件課税期間は、平成30年1月7日から同年3月31日までの期間であるとこ
ろ、本件申告書には、課税期間の初日の年月日を〇〇〇〇〇〇〇〇、末日の年月
日を平成30年3月31日と記載されているから、本件申告書に記載された課税期
間が本件課税期間に該当するものでないことは明らかである。また、本件申告書
のその他の記載をみても、課税標準額及び消費税等の還付金の額に相当する税額
は、〇〇〇〇〇〇〇〇から平成30年3月31日までの期間における課税資産の譲
渡等の対価の額及び課税仕入れに係る支払対価の額に基づき算出されたものであ
るから、請求人が本件課税期間の申告書を作成しようとする意図の下で課税期間
の初日の表記を単に誤ったものということはできないし、請求人が本件申告書の
提出後にその記載内容を訂正したとの事情も本件課税期間の申告書を提出したと
の事情も存在しない。したがって、本件申告書に表示されたところに従って判断
すると、これを本件課税期間の申告書ということはできないから、通則法第24条
に規定する「納税申告書の提出」があったとは認められない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/60759