2025年07月17日
【1】今週のお知らせ
≪横断検索≫第一法規「税務・会計データベース」
システムメンテナンスについて
システムメンテナンスのため、下記の日時にてサービスを一時停止いたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご協力くださいますようお願いいたします。
―記―
令和7年7月23日(水)午後6時~同10時
※メンテナンス時間は作業状況により短縮又は延長する可能性がございます。
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
バカラ所得(一時所得)の収入すべき時期と外れチップの経費性
(令07-02-27 東京地裁 棄却 Z888-2739)
海外(米国、シンガポール、マカオ)のカジノ施設においてバカラを行ってい
た原告は、バカラにより得た所得はないものとして申告したところ、税務署長か
ら、予想が的中したゲームごとに、配当として得たチップの額面相当額(収入)
から同ゲームに賭けたチップの額面相当額(支出)を控除して一時所得の金額を
算定すべきであるとして、更正処分を受けました。原告は、バカラ所得の収入は
各プログラム等の終了時のチップの残高に係る経済的利益であると主張しました
が、東京地裁は、次のように判示して、原告の請求を棄却しました。
原告の主張は、各プログラム等において行われた各ゲームを一体とみた上での
収入とは何かを検討したものであると解されるが、バカラにおいては、各ゲーム
の勝敗に応じて、ライブチップの配当又は没収が都度行われる等、各ゲームはそ
れぞれ独立しているものといえる。したがって、原告は、予想が的中した時点で、
ライブチップに係る経済的利益を得るための権利行使が可能になったといえるか
ら、その時点をもって、収入の原因となる権利が確定したものと解される。
原告は、本件バカラにおいて予想が的中した場合にはこれを原因として配当で
あるライブチップを得ることができるから、当該配当に個別的に対応する支出は、
当該ゲームに賭けたチップの額面相当額といえる。これに対し、当該配当に個別
的に対応しない支出、すなわち、予想が外れたゲームに賭けたチップの額面相当
額は、何ら収入を発生させるものではないから、本件バカラ所得に係る総収入金
額から控除されるべきものではない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63902
2025年07月10日
【1】今週のお知らせ
≪横断検索≫第一法規「税務・会計データベース」
システムメンテナンスについて
システムメンテナンスのため、下記の日時にてサービスを一時停止いたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご協力くださいますようお願いいたします。
―記―
令和7年7月15日(火)午後6時~同10時
※メンテナンス時間は作業状況により短縮又は延長する可能性がございます。
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
寄附金~建物の請負工事代金のうち関連法人に支払った金額は資金の贈与~
(令06-12-10 公表裁決 一部取消し・棄却 J137-2-03)
本件は、請求人が支払った建物等の請負工事代金のうち、建設会社及び建築士
が請求人の関連法人(N社、P社及びQ社)に支払った金額(支払額1、2及び
3)には、金銭を対価なく移転するものが含まれており、その支払額が法人税法
第37条第7項の寄附金の額に該当するか否かが主な争点となった事案です。
審判所は、次のとおり判断し、原処分の一部を取り消しましたが、請負代金等
に含めて契約書を作成していた行為を「仮装」に該当すると認定し、青色申告の
承認の取消事由があったとして、その承認取消処分は適法と判断しています。
本件支払額1及び本件支払額2については、本件建設会社及び本件建築士がN
社、P社及びQ社から何ら役務の提供を受けていないにもかかわらず、請求人の
指示に従って支払われたものであることに加え、請求人は、本件建物等工事等に
係る契約書等の請負代金等に本件支払額1及び本件支払額2に相当する金額を含
めて当該契約書等を作成していた。これらに相当する金額は、金銭を対価なく移
転するもの(資金の贈与)であると認められ、かつ、通常の経済取引として是認
することができる合理的理由は認められないから、寄附金の額に該当する。
本件支払額3については、本件建設会社がN社及びP社に対し本件構築物工事
に係る資材の購入等の対価として支払をしたものと認められることから、資金の
贈与の額であると認めることはできない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63976
2025年07月03日
【1】今週のお知らせ
システムメンテナンスのお知らせ
下記の日程でシステムメンテナンスを行うため、作業時間帯はすべての機能の
ご利用ができません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2025年7月8日(火)午後10:00 ~ 午後10:30
※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
(システム部長:坂井 昭彦)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
無償返還届出書が提出されている場合の地主個人の譲渡所得の総収入金額は?
(令07-01-17 大阪地裁 棄却 Z888-2737)
原告は、所有している本件各土地をA社(原告が代表者)に建物所有目的で賃
貸し、A社は本件各土地上に建物を所有していましたが、原告及びA社は、本件
不動産をB社に売却しました。原告は、譲渡所得につき、A社との合意に基づき
土地代金の80%を収入金額として申告したところ、処分行政庁から、更正処分
等を受けた事案です。原告及びA社は、本件各土地の賃貸借について、無償返還
届出書を提出しており、譲渡所得の総収入金額に本件各土地に係る借地権価額相
当額を算入すべきか否かが争点になりました。
大阪地裁は、次のように判断し、原告の主張を棄却しました。
無償返還届出書が提出されている場合の、借地権部分に相当する経済的価値の
移転の有無について、地主が個人で借地人が法人である場合には、地主の譲渡所
得に係る課税関係においても、地主が自ら届け出た経済実態〔借地権部分に相当
する経済的価値が借地人に移転していない結果として、当該土地賃貸借契約の相
手方である地主の下に借地権部分に相当する経済的価値が残っているという経済
実態〕を前提にした取扱いがされるべきものと解される。
本件各土地の売買価額から借地権相当額の20%相当額を控除した金額が原告
の取得する売買代金である旨合意し、売買代金を精算したことが認められるが、
借地人には、借地借家法上の借地権が帰属しているものの、課税関係においては
借地権部分に相当する経済的価値が移転していないものとされており、原告の譲
渡所得の金額の計算においては、総収入金額に本件各土地に係る借地権価額相当
額を算入すべきである。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63892
2025年06月26日
【1】今週のお知らせ
(1)東京税理士会からご提供いただいた相談事例を収録しました。
「TAINSキーワード」に次のように入力します。
東京税理士会 ☆2025年06月収録分 ‥‥7件
(2)下記の「行政文書」を収録しました。
・法人税及び消費税等の処理における誤り易い事例とそのチェックポイント
(令和6年9月 国税庁調査課 東京国税局調査審理課)
TAINSコード 法人消費事例東京局R060900
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63884
・令和6年分相談担当者用手引(ポケット版)
(福岡国税局 個人課税課 資産課税課)
TAINSコード 相談担当者用手引福岡局R060000
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63859
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:草間 典子)
複数回にわたり取得した外貨の円換算額の算定は総平均法に準ずる方法が合理的!
(令07-02-05 東京地裁 棄却 Z888-2740)
原告は、複数の預金口座で外貨通貨を保有し、平成29年から平成30年にか
けて、米国に所在する4つの不動産をドル建てで購入するなどの複数の外貨建取
引を行いました。本件は、これら外貨建取引のうち不動産購入における為替差益
の額を算定する際の外貨取得時の円換算額の算定方法が争われました。
原告は、暗号資産の取得価額の計算を規定した所得税法施行令119条の2第
2項を根拠として、外貨の取得時の円換算額の算定は個別法を用いるべきである
と主張しましたが、東京地裁は、納税者の主張を退けています。
預入れ時の為替レートが異なる外貨が混在している場合において、払い出す外
貨の取得時の円換算額をどのように算定するかについては、法において直接の定
めはないものの、外貨の性質等を考慮し、基本的には、法定評価方法の中から、
適用すべき評価方法を採用するのが合理的である。
所得税法は、2回以上にわたって取得した同一銘柄の有価証券で雑所得又は譲
渡所得の基因となるものを譲渡した場合に係る有価証券の取得費等の計算に関し
て、総平均法に準ずる方法を採用している。外貨も、有価証券と同様、取得費等
が異なっても一単位ごとに認められる権利や性質、価値などは基本的に変わらな
いと認められ、2回以上にわたって取得した同一種類の外貨について、為替差益
の額を算定する際の取得時の円換算額の算定においては、有価証券と同様に、単
価を平均する総平均法に準ずる方法を適用するのが最も合理的である。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63893
2025年06月19日
【1】今週のお知らせ
(1)収録した判決の一部を紹介します。
【所得税】
・R07-02-27 東京地裁 棄却 Z888-2739
バカラ所得(一時所得)/収入すべき金額と計上時期/外れチップの必要経費
性
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63902
【その他】
・R07-03-12 東京地裁 一部認容、控訴 Z999-2178
行政書士損害賠償請求/東京都行政書士会の会長選挙無効確認/立候補届の不
受理
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63885
(2)税務訴訟資料の収録を開始いたしました。
税務大学校ホームページに掲載された、以下の令和5年判決分(税務訴訟資料
第273号)の収録作業を開始いたしました。
■課税関係判決:順号13799~13917
■徴収関係判決:順号2023-1~2023-20
今後、収録完了したものから下記のキーワードで検索できます。
≪検索方法≫ 【TAINSキーワード】 ★税資273号
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:依田 孝子)
内縁関係にある者からの生活費・教育費等は婚姻費用と判断・納税者勝訴!
(令06-12-12 東京高裁 原判決変更、認容 Z888-2734)
この事案では、乙(控訴人)名義の預金口座に入金された金員のうち、内縁関
係にある甲が原資を出捐した金員(本件各金員、平成24年から平成29年まで
に合計1億8613万円)について、乙が甲から贈与により取得したものか、乙
が甲から生活費又は子供達の教育費等の婚姻費用分担義務の履行として受領した
ものかが争われました。原審(Z888-2728)が住居の賃料を除き贈与で
あると判断したことから乙が控訴しました。東京高裁では、乙と甲の内縁関係を
認めた上で、次のとおり判断し、贈与税の決定処分の全部を取り消しました。
婚姻費用の具体的内容は、基本的には夫婦間の合意によって決せられることか
らすれば、夫婦の収入、資産状態等によって規定される生活の程度や状態に応じ
て、当該合意に基づいて個別にその該当性を判断するのが相当である。
甲の生活状況からすると、本件各金員の入金の経緯として、甲、乙及び両者の
実子及び乙の連れ子の生活費・教育費等に充てるためであったと認められ、乙や
子供達の生活費等は、婚姻費用分担義務の履行の範囲内の金員である。加えて、
本件各金員の相当部分は住民登録をしていないとの理由から預金口座を開設でき
ない甲のために使用されたものと推認されるのであり、多額の資産(約50億円)
を有する甲から収入のない乙に対する婚姻費用分担の合意に基づく義務の履行と
して不相当に過大である又は目的外で給付がされたものと認めることはできない。
本件各金員は、甲から乙に対し合意に基づく婚姻費用分担義務の履行として支
払われたものであり、乙が甲から贈与により取得した財産ではない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63826
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2025年06月12日
【1】今週のお知らせ
TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
今回も弁護士:三木義一さんの特別講座です。今回はつい最近の判例から、ふ
るさと納税返礼品評価額は調達価額とすべきとしたものです。実務で必要な判例
の紹介です。是非ご覧ください。
ログイン後、左メニューの「研修サイト」をクリックすると30分研修動画が
表示され、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施
する研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講
時間を登録することができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分程度となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。
記
ふるさと納税と返礼品課税~返礼品に係る経済的利益の価額とは(事業者調達価
格)~
講 師:弁護士 三木義一
※東京税理士会・近畿税理士会の会員の方は、同会会員専用ページにログインを
してからご視聴ください。
(データベース部長 田川 哲)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:大高 由美子)
販売目的の一棟の建物/保有期間中空室部分の用途区分は按分できない!
(令07-01-24 東京地裁判決 棄却 Z888-2735)
納税者が、建物は将来の販売を目的として取得したから、建物の取得等に係る
課税仕入れは課税対応課税仕入れに該当するとして更正の請求をした事案です。
購入時からその一部の居室が住宅として賃貸されている販売目的の建物の用途
区分は共通対応課税仕入れに該当するとの判断は、何件もみられますが、今回の
事例では、納税者は、購入時から空室で、賃料収入が一切発生せず、売却時も空
室だった部分は全居室数に対する各空室の数の割合によって按分し、課税対応課
税仕入れにすべきであると主張しました。
裁判所は、用途区分の判定単位である個々の取引の対象は、各建物の個々の居
室ではなく、一棟の建物としての各建物である。原告は、賃借人がいる状態で各
建物を購入し、その後、これを売却するまでの間、その賃料を収受したものであ
るから、各建物取引に係る各課税仕入れは、共通対応課税仕入れに該当するもの
であり、課税対応課税仕入れに該当するとは認められない。と判断しました。
また、原告は、支払った家賃保証等は、空室が続くことによる建物の売買代価
の調整で「売上げに係る対価の返還等」(消法38)に該当すると主張しました。
裁判所は、家賃保証特約は、売買契約とは別個の特約であり、原告は、これに
より新たな債務の負担を約したものであって、その支払は、債務を履行したもの
であり、売買代金の額が事後的に返還又は減額されたものとはいえないから、「売
上げに係る対価の返還等」に該当するとは認められないと判断しました。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63827
2025年06月05日
【1】今週のお知らせ
システム改修に伴うサービス停止のお知らせ
下記の日程でシステム改修を行うため、作業時間帯はすべての機能のご利用が
できません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2025年6月5日(木)午後10:00 ~ 午後11:00
※作業状況により、時間が多少前後する場合がございます。
(システム部長:坂井 昭彦)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
外国子会社合算税制/外国の財団を通じてバハマ法人の全株式を間接保有
(令06-03-11 非公開裁決 一部取消し F0-1-1666)
原処分庁は、請求人は、リヒテンシュタイン公国に設立したA財団を通じて、
バハマ国のB法人の全株式を間接保有しているから、B法人は外国関係会社に該
当し、外国子会社合算税制(措置法40条の4)の適用があるとして所得税等の
更正処分等をしました。これに対し、請求人は、A財団は持分の定めのない法人
であり、A財団を通じて株式を間接保有することはあり得ないと主張しています。
審判所は、次のような理由により、B法人は外国関係会社に該当すると判断し
た上で、外国子会社合算税制を適用した場合の雑所得の金額等を計算すると、更
正処分の金額を下回る年分があるとして、その一部を取り消しました。
措置法40条の4の規定は、居住者の外国関係会社の支配関係を判定するため
の要件として、「株式等の数」を基準とするものであるところ、請求人は、A財
団の資産の管理権限を単独で掌握し、A財団の資産及びその収入を単独で受ける
ことができるのであるから、自益権及び共益権を単独で有しているものというこ
とができる。そして、請求人は、A財団の資本金の全額を拠出しているのである
から、株式会社等における構成員の地位(法的地位)を取得しているものと評価
でき、A財団の「株式等の数」を有すると同視できるものといえる。したがって、
請求人は、A財団を通じて、B法人の株式等を間接保有しているといえる。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63338
2025年05月22日
【1】今週のお知らせ
TAINS研修サイトの更新について
研修サイト「TAINS MOVIE」に下記の通り「判例を読み解くTAI
NS講座」の新作動画を掲載いたしました。
今回は弁護士・三木義一さんによる特別講座です。最近でた最高裁判決の紹介
です。最高裁が複合施設の固定資産税評価に関して判断基準を示しました。今後
の実務に大きな影響がでる判決の紹介です。是非ご覧ください。
ログイン後、左メニューの「研修サイト」をクリックすると30分研修動画が
表示され、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実施
する研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受講
時間を登録することができます。
同シリーズはいずれも受講時間が30分程度となっており、通勤時間等を利用
して受講・登録ができます。
記
固定資産税(複合施設の評価)~複合構造家屋の経年減点補正率は「低層階方式
」か「床面積方式」かが争われた事例~
講 師:弁護士 三木義一
※東京税理士会・近畿税理士会の会員の方は、同会会員専用ページにログインを
してからご視聴ください。
(データベース部長 田川 哲)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
相続時精算課税~贈与税の更正決定等の除斥期間の経過した贈与財産の加算~
(令07-01-16 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2731)
原告らは、相続税の申告及び修正申告を共同でしたところ、原処分庁から、被
相続人から生前に賃借した土地に係る借地権の価額の2分の1に相当する金額を
課税価格に加算すべきであるとして、相続税の更正処分等を受けた事案です。
原告らは、本件借地権相当額は贈与税の更正決定等の除斥期間は既に経過して
おり加算することはできない旨を主張しましたが、東京地裁は、次のように判断
して原告の主張を退けています。
原告らは、相続時精算課税選択届出書に係る財産の贈与を受けた平成21年以
後の年である同年中に、対価を支払うことなく本件借地権相当額の経済的利益を
受けたことにより、当該経済的利益を贈与により取得したものとみなされ(相続
税法9条)、相続時精算課税の適用を受けるものであって、原告らの贈与税の課
税価格の計算の基礎に算入されるものに該当する。原告らは、本件借地権相当額
の贈与に係る贈与税に対する更正決定等の除斥期間は既に経過していたから、同
贈与税について課税当局による課税権限の行使は不可能であり、本件借地権相当
額は、本件相続税の課税価格に加算することができない旨主張する。しかし、相
続税法21条の15は、相続税の課税価格に加算される相続時精算課税適用財産
の範囲について、相続時精算課税制度の適用を受ける財産のうち「当該取得の日
の属する年分の贈与税の課税価格計算の基礎に算入されるもの」とし、これを超
えて、納税者の申告や税務署長の更正決定等により贈与税の課税価格に算入され
たものとは規定していない。したがって、原告らの主張は採用できない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63615
2025年05月15日
【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【相続税】
・R06-03-14 静岡地裁 一部取消し、控訴 Z888-2728
贈与財産の範囲/内縁関係に基づく結婚費用分担義務の有無/「扶養義務者」
該当性
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63319
・R02-02-27 裁決 棄却 F0-3-690
無申告加算税/「調査通知がある前に行われたものであるとき」に該当するか
否か
URL:https://app6.tains.org/search/detail/60163
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:草間 典子)
業務委託の合意の事実が認められ、重加算税の賦課決定処分が取り消された事例
(令06-02-15 東京地裁 一部認容・確定 Z888-2685)
原告は、除染作業で生じた廃棄物の減容に使用される圧縮袋等を販売していま
した。原告は、地方自治体が取り扱う圧縮袋等が原告の希望する仕様等になるよ
う地方自治体等に働き掛けを行う旨D社等に依頼し、その報酬を「支払手数料」
などとして支出していたところ、課税庁から、これら支出は、その使途が明らか
でなく損金の額に算入できないとして、法人税等の更正処分及び重加算税の賦課
決定処分を受けたものです。
東京地裁は、D社の代表者Eが地方自治体等に対して何らかの活動をした証拠
はなく、これら支出は原告の事業の遂行上必要と認めることはできないとして、
損金の額に算入することを認めませんでしたが、重加算税の賦課決定処分につい
ては、下記のように判断をして取り消しています。
当裁判所は、本件各支出が原告の事業の遂行上必要であるとは認められないと
判断するものであるが、原告において、Eの当該地方自治体等に対する具体的な
働き掛けがあったと信じ、それによってEに依頼した内容が達成されたと考え、
その対価としての金員を協議の上、請求書の発行を依頼して支払ったことは、E
との合意に基づく支払及びその前提としての請求書の発行依頼として位置付ける
のが相当であるから、これらを国税通則法68条1項にいう隠蔽、仮装と評価す
るのは相当ではない。したがって、本件において、国税通則法68条1項に規定
する「隠蔽」又は「仮装」に該当する事実を認めることはできない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63029
2025年05月08日
【1】今週のお知らせ
(1)収録した判決の一部を紹介します。
【消費税】
・R06-04-11 東京高裁 棄却、上告、上告受理申立て
Z888-2729
特定目的会社の建物取得及び売却の目的/棚卸資産か固定資産か
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63261
【法人税】
・R06-02-15 東京地裁 却下、一部認容、棄却、確定
Z888-2685
圧縮袋等に係る業務のため委託先に支出した金員/業務遂行上の必要性/重加
算税
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63029
【所得税】
・R06-01-17 最高裁 不受理、確定 Z888-2717
上告不受理/貸付残債権の放棄による損失/雑所得の必要経費算入の可否
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63437
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:依田 孝子)
訴訟上の和解による解決金~全額が遺留分減殺請求の価額弁償金ではない!~
(令06-07-03 公表裁決 全部取消し J136-3-05)
請求人は、その兄を被告とて、主位的に被相続人(平成28年6月死亡)の公
正証書遺言の無効、予備的に遺留分減殺請求などを求める訴えを提起しました。
令和4年3月、訴訟上の和解が成立し、兄から請求人へ解決金(本件解決金)を
支払うことが確定しました。請求人が、令和5年7月、遺留分減殺請求に基づく
価額弁償金を取得したとして、本件解決金の一部について、相続税申告をしたと
ころ、原処分庁は、その全額が価額弁償金に該当するとして更正処分をしました。
審判所では、次のとおり判断し、更正処分は相続税法35条《更正及び決定の
特則》3項1号の要件を満たさないとして、その全部を取り消しました。
和解調書には、本件解決金が遺留分減殺請求に基づく価額弁償金であることを
示す記載はないこと、予備的な主張を根拠にして本件解決金の全額が遺留分であ
ると判断することもできないないこと、訴訟における双方の弁護士の各申述等の
内容に相当程度の齟齬がみられることなどから、本件解決金は、その全額が遺留
分減殺請求に基づく価額弁償金であると認めるに足りる客観的な証拠はなく、価
額弁償金以外の法的性質を有する金員が含まれていることを否定できない。
したがって、更正処分より増加した金員が、請求人の兄に対する遺留分減殺請
求に基づく価額弁償金に該当すると断定することはできず、その法的性質は不明
であるといわざるを得ないし、その中に遺留分減殺請求に基づく価額弁償金に該
当する金員が含まれているとしても、当該金員が幾らであるのかも定かではない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63734